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2008年11月13日 (木)

どの様な声で?

 宗教曲を歌っていると、よくどの様な声が必要かという質問が出てきます。

当然の様に言われる事ですが、「ヴィブラートの有る声は駄目」という意見、

これは、バロックの時代でも、そういう人がいますが、「ヴィブラートは天性

のものであり、無くても成功する事はできる」と言う人もいた様で、必ずしも

ヴィブラートが絶対に駄目という訳でもなかったかもしれないのです。私が

京大で研究していた音楽心理学の中でも「ヴィブラートの有る方が人に感

動を与える」と言うのが通説でした。と考えれば、宗教曲でヴィブラートを

禁じるのは「禁欲的な声」を求めたのでしょうし、良くないと言う意見がある

事は、当時ヴィブラートをかけた歌い方もよく見かけられたという事ですね。

教会が芸術に「禁欲性」を求めたのはご存知のとおり中世の時代ですが、

ルネサンスの時代になると、芸術家達を擁護したメジチ家から教皇が現

れたりした為、随分自由になって行ったのです。

 さて、今回は敢てヴィブラートを付けてくれとは言いませんが、余りヴィブ

ラートを警戒するあまり、かえってチリメンの様な合唱特有のヴィブラート

をかけてしまわない様にご用心下さい。これ、日本の合唱団に多いので

すが、案外気付いてない人が多いワナです。原因は支えの無さ、又は逆

に力の入れ過ぎ等が考えられます。よく脱力を説く方も多いのですが、

全く脱力すると声が無くなります。家の女房が以前その様に指導されて

上の声が出なくなった事が有ります。

 同様に所謂「楽に抜いた声」も要注意です。一見ソフトな声に聞こえま

すが、より支えが必要になりますし、声帯がちゃんと合わなくなります。

これは私自身が経験済みです。

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